ぬか漬けのおはなし
暑さのピークは去りましたが、まだまだ残暑を感じますね。
今夏は猛暑に加えて集中豪雨や突然の雷雨など、極端な気候が目立ちました。
この週末もまとまった雨になりそうです。
夏場は樹木や野菜がどんどんと育ちますね。
有名な夏野菜として、キュウリ・なす・オクラ・ピーマン・トマトなどがあります。
家庭菜園でたくさん収穫できて食べきれない、ということもあるのでは。
サラダなどの食べ方に飽きたという人は、ぬか漬けにしてはいかがですか?
家庭基礎の授業でも勉強しましたが、「ぬか」は玄米を精米する際に出る皮や外胚乳などのことです。
ぬか漬けは、このぬかを使って作るお漬物です。
【ぬか床の材料】
ぬか・昆布のだし汁・塩・唐辛子
*その他、各家庭によっていろいろなものを加えます(煮干し・からし粉・鰹節・ゆずの皮など)
【ぬか床の作り方】
①上記の材料をボールで混ぜ合わせてよくこねる。
みそぐらいの硬さになったら、密閉できるフタつきの容器に移し替える。
これでひとまずぬか床の出来上がり。
ですが、混ぜたばかりのぬか床には微生物はほとんどいません。なので…
②ぬか床にクズ野菜を入れて、一週間ほど寝かす(捨て漬け)。
クズ野菜が微生物たちのエサとなり、米ぬかが発酵し始めます。
使うのはキャベツの外側の葉や、大根の端っこなどでOK。
1日2回かき混ぜ、3~4日で一度クズ野菜の入れ替えをします。
一週間ほどすれば微生物が繁殖し、これで本当のぬか床が完成!
(伊吹産いりこと花かつおも入れました)
③捨て漬けの後、クズ野菜を捨ててようやく本漬け。
ぬか床が十分に熟成したら、キュウリなど好みの野菜を漬ける。
野菜が完全に埋めて、最後はぬか床の表面を平らにならします。
漬ける時間は夏場なら6時間ほど。あっという間に食べごろです。
ぬか床の適温は20~25度なので、春・秋が一番扱いやすシーズン。
30度を超える夏場は異常発酵の恐れがあるので、冷蔵庫で保存しましょう。
(上手に漬かりました!)
【毎日のお手入れと食べ方】
・ぬか床は毎日かき回して手入れすることで、微生物の発酵が促される。
・旅行などで毎日お手入れできない時は、冷蔵庫に入れる。
温度を下げることで微生物の動きが鈍くなり、漬かるのに時間がかかる代わりにかき
混ぜる回数も減らすことができる。
・ぬか床から取り出したぬか漬けは軽く水道水で洗い、すぐに食卓へ。
(時間が経つと風味が変わるので、早めにいただきましょう)
授業でも学びましたが、日本の気候は高温多湿であるため、昔の人は乾燥、燻煙、塩蔵、糖蔵、酢漬けなど、調理法を工夫することで保存性を高めてきました。
微生物の発酵を用いたぬか漬けの調理法もまた、腐敗菌の繁殖を抑えて保存性を高めるための方法の一つです。
まだ当分の間は夏野菜を収穫できそうです。
秋の夜長に、ぬか漬けづくりを楽しんでみてはどうでしょうか?
新米とあわせていただくと、いくらでも食べられそうですね♪